高齢者施設SHC計画■地域空間の延長としての「交流広場」各施設によって包み込むように中庭(水庭)、交流広場が計画され、そこはここに住む人々、施設を訪れる人々、そして地域の人々の交流の場であり、憩いの場となります。この交流広場は南、北、東のそれぞれの通路からアプローチができ、また交流広場は地域空間と重なり合う「街の間」としての空間です。ここは多くの人々が共有する「ハレ」の場です。 ■水のある風景「水庭」 水庭は街の中に静寂をもたらし、人の心に潤いを与えます。夏は打ち水として利用され、また子供たちの水遊びの場となります。ここでは雨水も利用されます。 ■自然を感じ取る[中庭」 中庭に降り注ぐ光や雨、吹き抜ける風、そして木立や土の匂いは人々に情緒感を与え、人の内面に働きかけます。中庭は大地の息づかいを感じさせます。 ■街の丘としての「屋上庭園」 屋上庭園はこの施設に自然のもつ地形性をもたらします。それは地域にとって親しみある風景となります。また屋上の植栽は熱負荷の軽減となります。 ■街並みのコンテクスト 風土が育んだ地域文化としての家型の屋根、縦格子、白壁、水平な軒先はこの施設の視覚言語として再構成されます。縦格子は内と外の関係に程よいディスタンスをつくりだし、またこの施設の表情を特徴づけています。 ■地域文化の中に息づく建築 この施設は長い間、風土や人々の営みが育んできた地域文化や生活文化を基盤とした精神性の上に成り立つ建築です。それは人の心に働きかけ人の心を豊かにします。地域のなかに施設があり、施設のなかに人が存在します。生命と生命が関係し合う基盤としての地域づくり、そして施設づくりはここに集う高齢者を精神的に、身体的に元気にします。
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